Q麻疹(はしか) 

【ポイント】わが国の1歳児の麻疹ワクチン接種率は約50%と極めて低く、患者のほとんどが未接種であり、現在においても年間数十名の死亡がつづいている。感染力が極めて強いが、ワクチンで一掃可能な疾患である。

【症状】約10日の潜伏期のち、発熱を伴う風邪症状で発症し、結膜充血や不機嫌も出現する。24日の発熱ののち、いったん解熱し、半日のちに再び高熱とともに鮮紅色発疹が出現する。発疹は頚部や前額部からではじめ、顔面、体幹、手足と全身に広がります。その後34日で解熱し、発疹も融合した不整形斑丘疹から暗赤色をへて退色し、色素沈着を残す。その間、肺炎などの合併症がなくても、咳や鼻症状も強い。発熱も1週間はつづき、入院を要することも多い。

【病態】麻疹ウイルスによって起こり、感染力が強く、マスクでの予防も難しいと考えられる。

【診断】典型的な症状と特徴的な発疹で行う。

【治療】対症支持療法。

【予後】主症状である発熱も1週間はつづき、その後も1か月程は免疫力の低下などがつづくとされる。30%に合併症を伴う。半数が肺炎。中耳炎やクループ症候群の合併も多い。稀に、脳炎亜急性硬化性全脳炎が数か月から数年後に発症することがある。

【予防】麻疹ワクチン接種を、1歳過ぎと小学校入学前の2回確実に行うことで予防可能。

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