オマリズマブ(ゾレア)注射について
  ヒト化ヒトIgEモノクローナル抗体オマリズマブ(商品名ゾレア皮下注射薬)がアレルギー疾患の内、既存の治療でコントロールできない難治な気管支喘息、季節性アレルギー性鼻炎および特発性の慢性蕁麻疹が対象ですが、それぞれの疾患でさらに呼吸機能の低下や使用してきた治療薬などの制約が設けられています。対象年齢は、気管支喘息では、小児から成人、季節性アレルギー性鼻炎と特発性の慢性蕁麻疹は、成人及び12歳以上小児です。

 用法・用量は、対象患者の血液中のIgEの量により設定、一般には2週に1回あるいは4週に1回の皮下注射になります。

 作用機序は、図のように当該アレルゲンに対するIgE抗体を阻害することで一連のアレルギー反応をブロックし、アレルギー症状の発現を抑える。



 本治療で使用する薬剤『ゾレア』の薬価は75mg1シリンジが2万3195円、150mgシリンジが4万5645円。投与量は体重と総IgE値により決まります。体重50~60Kg、で総IgE値が300~400 IU/mLでは、450mg使用します。使用薬の薬価だけで13万6935円で、自己負担金はその3割と高額になります。
 スギ花粉症の場合は、シーズン中、定期的に投与することになります。
 副作用としては、ショック、アナフィラキシーなど喘息発作や蕁麻疹などアレルギー症状の悪化の可能性があります。多くは投与後2時間以内に現れるがその後に起こることもあります。