秋の花粉症 
はじめに 
 スギの花粉が春に飛散し、その花粉のためにアレルギー症状を起こすように、秋には秋に花咲く植物の花粉が飛散し、そのためアレルギー症状を起こします。秋の花粉症の代表は、ブタクサやヨモギなどのキク科の植物です。関東では7-9月に飛散する。草花粉はスギやヒノキと異なり自生地域に限られます。道端や河川敷、空き地などの周囲20-30m程度までと考えられます。
 また、草木の花粉症のあるヒトでは、果物や野菜を食べた時に口腔内のかゆみや浮腫(はれ)、のどの違和感やはれを感じるヒトがいます。このような症状を口腔アレルギー症状(OAS)と呼びます。その時点で摂取を中止すれば、大事に至ることはないと考えられますが、食べ続けると呼吸困難やアナフィラキシーに至ることも希に起こります。注意が必要です。
  花粉の種類と飛散時期(関東地方)


口腔アレルギー症状(OAS)を起こす花粉アレルゲン 
 スギ・ヒノキ   トマト
 ヨモギ  ニンジン、セロリ、リンゴ、ピーナッツ、キウイ
 ブタクサ  メロン、スイカ、カンタローブ、ズッキーニ、キュウリ、バナナ
 イネ・カモガヤ  コムギ、ライムギ、トウモロコシ、カモミール、タンポポ、
 ジャガイモ、トマト、メロン、スイカ、オレンジ、キウイ
 シラカンバ・コナラ  リンゴ、モモ、サクランボ、アーモンド、ヨウナシ、ナシ、イチゴ、スモモ、アンズ、ウメ、
 ビワ、セロリ、パセリ、ニンジン、ジャガイモ、キウイ、ヘーゼルナッツ、ココナッツ、バナナ
このような反応は当該花粉抗原(アレルゲン)と各野菜や果物、ナッツに抗原共通性があるために生じます。
花粉を吸引することで、その花粉に対する抗体が作られ、
次にこの花粉抗原と共通性のある抗原をもつ野菜や果物、ナッツを食べた際に、
当該花粉抗体が反応してアレルギー症状を起こすことで発症する。
 治療
 治療はスギ花粉症と原則的に同じです。スギと違って飛散距離が数十メートルですので、繁殖場所に近づかないことが一番。それでも生活に支障がある場合はスギ花粉症と同様薬剤を使う。
 OASに対しては、アレルギー検査で陽性アレルゲンをしっかりと確認しておくこと。OASを引き起こす可能性について認識すること。他の食物アレルギーと同様、食物を口に入れた際に違和感などを感じた際には、呑み込まず吐き出すことです。呼吸困難やショックが疑われる場合には救急処置が必要です

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